2008年 12月 26日

自家製 レモン ゆず みかん

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 家の前の元お茶畑の荒れ地がサラチになった。
地番から 地主の住所を探して、私達夫婦と畑にしたいという近所のおじさんと
ある夜 その家を訪ねた。10年ほど前 最後に見かけたその家の奥さんは
ガンで亡くなられたといううわさは聞いていた。まだ60代前半かと思われる
ご主人は、アルツハイマーなのだと 独身の息子さんがお茶を出してくれながら
話していた。息子さんはサラリーマンで農業をしないので、すっかりほったらかしに
してしまって・・・と頭を下げ、大きくなってしまったお茶の木も切ってもらえば助かる
し、どういうふうに使ってくれてもいいということだった。
 広い庭に ふたりで住むには大き過ぎる家。時代とともに 家族の形が変わるのは
自然の姿だけれど、先行きの不安を抱えた寂しさが飾り気のない薄暗い部屋に
漂っていた。できるものなら、誠実そうな息子さんのお嫁さんを世話してあげたいもの
だと話しながら帰ってきたのは秋の終わりごろ。
 それから、お茶の木は近所のおじさんがのこぎり1本で少しずつ切り、とうとうぜ〜んぶ
切られて山のように積み上げられ、それが枯れると、今度は風のないときを見計らって
燃やされた。これを自然農法を広げたいという志を持っている土建屋のおじさんが見て
一緒にやらせてほしいと土をトラックで運んできて、ブルトーザーでならしたのだ。
 私の家側のすみは、駐車場に借りることになっている。そして、その横に八朔(駿河
エレガント)の木を植える予定だ。無料でいいと言ってくれているが、たまには地主の家
を訪問して おふたりを見守る輪に連なっていきたいものだ。


投稿者: kun - 午前 10:08 | コメント(2) | 固定リンク